Yの刻印

サイクリングやら山登やら車中泊の旅やら、、、夫婦でのお出掛けを綴ってます。

夫目線からの出産記 〜入院前夜から出産当日まで〜

「ユウの刻印」一頭最初の一発目の記事は、僕からみた出産記を書いてみようと思う。

 

何故書こうと思ったかというと、出産はやっぱり命懸けということを、痛いほど認識させられた出産だったからだ。

 

当時、夫婦で共有できる妊娠記録・妊娠日記アプリの「トツキトオカ」にその時の出来事や心境を綴っていたので、その日記を一部加筆・修正して載せてます。かなり長い文になりますが、最後までお付き合いくださいませ。

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《2022年12月 体重3,270g 身長50cmの女の子》


〜入院前日〜 出産2日前

明日から妻が出産のために入院するので、晩ごはんは「焼肉味ん味ん」へ。

後で知ったことだが「臨月に焼肉を食べると陣痛が来る」というジンクスがあるらしい。妻がこのことを知っていたのかは定かではないが、、。

 

〜入院当日〜 出産1日前

計画出産のため妻が入院。

僕は仕事で出社したため、妻の自転車仲間が車を出してくれて、総合病院までの移動と入院荷物の運搬を手伝ってくれた。

 

〜出産当日〜

6時24分 「促進剤が始まった」と妻からLINE。「いよいよ出産かぁ」とワクワクと不安が入り交じった気持ちで起床。

コロナのせいで出産の立ち会いはできないから、時々くる妻からのLINEをドキドキしながら待つ、テレワークで仕事をしているけど、仕事が手につかない、、、

 

7時28分 「破水してた」とLINE。破水してもまだ時間はかかるだろうし「生まれるのは午後かな」なんて考えていた。

 

10時38分 「うまれた!」とLINE、唐突の報告だったので、無事に生まれた喜びよりもビックリして、ひとりあたふたしてしまった。

 

とりあえず総合病院の駐車場までは、移動しておこうと準備し家をとびだす。

総合病院の駐車場の目の前まできたのに、財布を忘れたことに気づいて、一旦家に引き返す。相当テンパってるな 笑

 

家に戻って忘れ物をとり、ふたたび車に戻ったところで、妻の携帯から電話、出てみると総合病院の助産師さんからで、声のトーンが明るく無いので「何かあったかな」と思ったところで「胎盤が剥がれなく、多量の出血となってるので、救急車で別の大きい病院へ搬送し、そこで処置を行うことになったので今すぐに来てほしい」と話があった。

 

まいったな「何かのドラマのような展開じゃねーか」と独りごちる。

 

総合病院までの車での移動の時間が長く感じられる、こんな時にかぎって信号にもよく捕まる。

 

総合病院について6階にある産科の病棟へ、ナースステーションへむかい、待機室に案内される。この時助産師さんに「お父さんに似てる 笑」といわれる。

 

待機室で先生から現状の説明を受けるが、いきなりの事すぎて頭が追いつかない。


コウノドリ」や「透明なゆりかご」などのドラマで見ていたようなことが現実に起こっているのだけど、ドラマを見ていた影響なのか、病院にはきたけど、未だ妻にも子供にも会えていないからなのか、どこか他人事のようにも感じられる変な感覚。

 

待機室で輸血の同意書なんかを記入して待っていると、助産師さんに呼ばれて、手洗いとマスク、ビニールエプロンの着用をして、やっと我が子と対面、一瞬しか会えなかったけど、ちっちゃくて可愛かった。

 

そして妻のもとへ、そこには点滴の注射針を何本も刺されたグッタリしている姿が、本来なら子供が無事に生まれた安堵と幸せな時間を過ごせるはずだったのに、、、

 

ここで救急隊が到着し、僕も救急車へ同乗して緊急搬送先の某大学病院へ。

 

搬送先の大学病院へ到着し、待合室の奥にある個室へ案内され、先生からこれから行う処置についての説明を受け同意書へサイン、そのほかにも個人データなどの書類へ記入して待っていた。

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《手術の説明資料や同意書の山》

 

13時40分 看護師さんに呼ばれて「これから手術室へ向かうので同行して欲しい」という。

移動して妻のもとへ、ここで妻と少し会話をして、手術室へ移動し妻は手術となる。

 

僕は助産師さんに先導され、MFICUという病棟にある家族待機室へ移動し、手術が終わるのを待っている。

 

15時00分 先生が途中経過の報告にきてくれた、胎盤は概ね取れたが、一部癒着があり剥がれない箇所があるので、脚の付け根からカテーテルをいれて止血をする動脈塞栓術を行うとのこと。

 

16時40分 妻は「MFICUではなくICUの病室に入ることになる」と告げられる。早く結果を知りたい!

 

17時20分 手術が無事終わり、担当した医師からの説明を受ける。癒着している胎盤を取り除いたが、癒着している一部分は取りきれなかった、その部分をバルーンを使って止血したけど止まらないので、子宮動脈へカテーテルを使ってスポンジ状の閉塞物質で止血をして血が止まった。

 

血はとまったが大量の輸血を行っているため集中治療室で1〜2日様子を見ていくとのこと。
一時的に子宮へ血が通わなくなるため、次のお産時に影響が出る可能性が残るらしい、1年は子宮を休ませることが肝要とのこと。
もう少ししたら妻と面会できるようだ。

 

17時50分 集中治療室で妻と面会、まだぼーっとしているけど、話をする事ができて一安心。本人は腹が減ったと w


ただ、子供が生まれたあとのことは、よく覚えてないらしい。とにか生きててよかった。


というのが、子どもが産まれた時の顛末。

 

結局、妻は概ね大人2人分の血を輸血した。

そして、この日から1週間、僕と妻と子どもの3人がそれぞれバラバラの場所で過ごす事になる。

 

「出産は命がけなんて遠い昔の事で、今はドラマの中での出来事だよ」なんて思っていたけど、もしあの時近くに対応してもらえる病院が無かったら、あの時輸血できる量の血が無かったらなどなど、いま考えてもゾッとするし、出産って命がけだし、無事に出産できることは奇跡なんだなって痛感しました。

 

思い描いていた出産とは全く違っていたけど、

妻も子どもも無事でよかったと思うし、妻を助けてくれた医療関係者にも感謝の気持ちでいっぱいです。